休職42日目。過食女だった私が自分の声を聞く。
4日くらい前からやたらサンドイッチが食べたくてたまらなくて、
「今日食べなくて明日まだ食べたかったら買いに行こう」を繰り返してやっと、昨日ありつくことができた。
思えば仕事をごっそり減らして休職期間に入ってから、「今はいらない」とか、今回のような「明日まで待ってみようかな」という「すぐに食べようとしない」ができるようになった。
学生時代わたしは典型的な過食症状に度々襲われていた。色んな思いが止まらず辛すぎて死にたくなったことも幾度となくあった。
できるだけ人が少ない(=知り合いに合わない)時間に買い物に出掛けてすぐに食べられそうなものをかごにいれまくる。我慢できなくて玄関で靴を履いたまま手掴みで食べたりしていた。
大学のスクールカウンセラーや精神科にもかかってみたし、通っていた内科の先生にもお世話になった。吐くことに憧れて四六時中いわゆる「かしょお」ができる同世代の女の子たちのTwitterを見ていた。かしょお、っていうのは過食嘔吐の略だよ。
吐けない代わりに過食→絶食を繰り返すのがいつものパターンだった。
毎週火曜日の4限後。それがわたしが大学のカウンセラーに会っていた時間。隠れるように保健センターに入って奥の部屋へ向かう。たまたま居合わせたサークルの先輩には体調が悪くて、と嘘をついた。
大学に時々来られるという精神科医の先生にお会いする約束で、5分遅刻をした。行かなきゃいけないのに食べることをやめられなかったから。泣きそうになりながらアパートを出たことを覚えている。
内科では泣きすぎてお話にならなかった。(笑)
色んな先生に相談するも手っ取り早く解決したかったわたしは電車に乗り精神科専門の病院へと向かう。
山間部の学生街、どこへ行っても知り合いに会う。「おつかれ!どこいくの?」なんて絶対に聞かれませんように。そう願いながらまた隠れるように病院へ向かった。
(ちなみにこの時は「躁鬱状態」と言われ大量の睡眠導入剤と精神安定剤を出された。わたしが欲しかったのは食欲抑制剤だったけど。)
安定剤を飲めば、心が安らかになって、過食衝動もおさまるだろう、と思ったわたしは納得しないながらも薬を飲み始めた。が初回で副作用の頭痛と目眩に耐えきれず授業を早退、その日のお昼に予定していたサークルの練習もドタキャンした。
情けなくて泣きながら帰った。「食べたくないから薬のんだら目眩がして歌えません」なんて訳わからなすぎるし、絶対に言いたくなかった。大学3年生の冬。
そんなこんなな摂食状態は大学卒業間際になって色んな人たちの支えがあり少し落ち着くも、なくなることはなかった。
就職してからあまりの忙しさに食べる気も起きない日が多くなり多少良くなったか!?と期待したけど長くは持たなかった。
忙しかった日の退勤後すぐや夜勤明けの止まらない食欲。吐きそうになるまで食べるのが癖になっていた。吐けないくせに。
最初はとにかくおいしいの快感、でも、「もう美味しくないのに食べてしまう」が地獄の辛さだった。食べているときも苦しいけれど、食べ終わったあとの絶望はひとしおであった。(笑)
そんなめちゃくちゃなわたしの食だったけれど、最近驚くほど穏やかにものを食べられるようになってきた。
「休職中は今まで無視してきた体と心の声を徹底的に聞いてみる」と静かに決めていたのがよかったのかもしれない。
読みかけになっていた摂食障害専門ののカウンセラー、ステップあやさんの本もまた読み始めた。
今本当に食べたいのかな。
今絶対に欲しいのかな。
こんなに食べられる?
この量を「心地よく食べられる?」
これがいいのか、それともこれでいいのか?
そんな疑問を優しく自分に問いかけそして答えを待てるようになった。
大切にしたい自分の声を、自分で聞いてあげる。
本当に欲しているものを欲している量だけ食べる。
たぶん、余裕がなかったんだと思う。
嫌われてはいけない、好かれなきゃいけない、うまくやらなきゃ、結果を出さなくちゃ、××しなくちゃ、××すべきだ、、、
でも結局そういう自縛でいっぱいな時って、どれだけ努力しても、どこか空虚で満たされなんてしない。その穴埋めのために、手っ取り早く食べ物を詰め込む。
休職に向けて色んな人の話を聞いて実践していくうちにそんな呪いのような価値観が、溶けていったように思える。
強くなるのではなくて、
弱さを受け入れられるようになる。
わたしの大好きな曲の歌詞に
「弱みこそ本当の強さだから」というのがある。なんだかそんな感じに思えてくる。
偉そうに長々と書き連ねてみるけれど、
今過食衝動が全くないというわけではない。
けれども「過食したい!でもダメ!!でも!」ではなくて、「どうして今こんなに食べたいんだろう」と一歩立ち止まって考えられるようなった。
本当に食べ物が欲しいのかな、
それとも他の何かの代わりに食べ物を欲しがっているだけなのかな。
わたしは何が欲しいのかな。
これだけでも多少生きやすくなったんじゃないかな~と思う。
(過食との付き合いは長すぎて色々書き留めておきたいことがあるので、この話題はまたちょこちょこ書こうとおもってます)
昨日意気揚々と買ってきたサンドイッチ。
大好きなミルクティーも作って。
とってもおいしかった。