休職23日目
山梨県は都留市。ちょっと前までここに住み、お世話になっていた町(の正確には駅)にいる。
東京方面へ戻る電車の時間を勘違いして逃したばかりだ。
広い空と張り巡らされた電線、針葉樹だらけの山、そして晴れた日の夜空が美しい町。
山梨滞在の初日から今日まで、何もしない日はないくらい色んな人に会って対話をして、歌までうたわせてもらえた。
初日の混乱は今、凪いでいる。
ここに誰と来て、何をした。
ここには一人で来て、なにもしなかった。
記憶を受け入れたかった。
一人で歩き回ったり、わざわざ甲府から会いに来てくれた友人にも付き合って貰って 思い出の確認作業をした。
ここには誰が住んでいた。
ここで何を感じていたのか。
わたしはずっとこの場所と ここで感じていられる感覚、そして人々に執着し、癒着を求めていたのだと思う。
けれどももう、ここにわたしの居場所はなかった。だから前向きに諦めることができた。
希望はない、けれど悲しみも怒りも、ない。
ただそうであって欲しかった自分を見つめていた。
卒業する直前、絶対にもう一度この足で歩こうと決めた 大好きな道だ。
こんな形になるとは思っていなかったけれど、求めていた経験は得ることができたし、
ああ、もう来れなくても大丈夫だな、と思えた。
未来などない。
ただただ今を生き重ねるだけ。