背中を押してくれる思い出 過去に執着したくなる思い出
部屋を掃除して綺麗にした。
あまりにもわたしが片付け下手なので見かねた兄が「片付けてやるから一緒にやろう」と言ってくれたからである(恥ずかしい)
いくつか「思い出の品」を、捨てた。
ずっと捨てられなかったものたちを思い切って、捨てる。
兄が繰り返し言う。
「これ、ほんまにれいさんに必要なん?これで運気上がると思うん?最後に手に取ったのはいつ?こんだけ埃かぶせて、ほんまに持っておきたいものなん?」
久しぶりにそれらを手に取り、眺めると、「心地良い懐かしさ」ではない何かが胸を締め付ける。
間違いなく素敵なものたち。
だった。
けれど時が流れるとともに自らの心境も変化してしまうもので、
それらを見ていると、なぜか悲しくなった。
たぶん、自分の戻れない過去に執着したくなるからだと思う。
過去の栄光。過去の愛。
すでに執着しているから、ずっと置いていたのだなとも思う。
その思い出があるから頑張れる ではない。
その思い出があるから、引き返したくてたまらない。
思い出に罪はない。あるのは自分の未熟さだけだ。
だから本当は自分次第なのだ。わかっている。
けれど思い出を思い出として糧にできない、弱い自分を受け入れたいと思った。
過去に引き戻そうとするものは、手放そう。
わたしが本当に生きたいのは今であり、今を重ねた未来であるから。
とりあえず、ね。
背筋を伸ばし、前に進みたくなる思い出の品にできないなら、
それはわたしにはきっと、必要ない。
(気づきをくれた兄に感謝である。)